島根県大田市温泉津町温泉津=東西に伸びる島根県のほぼ中央に位置する温泉津(ゆのつ)温泉は温泉津港から山側に面した温泉街で、ひなびた旅館と静かな街並みが残っています。(写真で紹介)この古風な温泉街は2004年7月、温泉町としては初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。かつてこの場所は、石見銀山の繁栄と共に銀や生活物資の搬出搬入が頻繁に行なわれて活気がみなぎっていた処ですが、現在は当時を偲ばせる温泉と焼き物の街として人気があるようです。この町には「元湯泉薬湯」と「薬師湯」、2軒の共同浴場がありますが、それぞれ別々の泉源を引いています。薬師湯は1872年に発生した浜田地震によって源泉が湧出、2005年9月、日本温泉協会の新基準による審査で全項目最高点「オール5」の天然温泉として認定されました。「オール5」は全国でも12件のみというからスゴイ!また元湯泉薬湯の開湯は古く、1300年前と伝えられています。共同浴場に通うという昔ながらのスタイルにこだわった元湯かけ流し!1300年前から湧出している湯元は温泉津町でもここだけです。歴代の大森代、官細川幽斎、小泉八雲、野口雨情、伊能忠敬も入湯されたそうです。温泉津焼きは江戸時代中期の宝永年間(1704〜1709)石見銀山の繁栄に合せて当時の大型輸送船北前船などで全国に運ばれて行きました。その中でも「はんど」という名前の水がめは、温泉津焼き(石見焼き)のオリジナル陶器として特に人気があったようです。現在、温泉津には3軒の窯元がありますが、毎年春と秋の2回、日本最大級の登り窯に火が入れられます。
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