1.
気づいた時には ミカン箱の中
雨に打たれて びしょ濡れのミィ〜ちゃん
捨てられたと 気づくまでに
爪が生えそろうほどの 時が過ぎた
そんなミィ〜ちゃんも 年頃になり
ヒゲが立派な 彼氏ができた
スミより黒い くろ猫だけど
ミィ〜ちゃんは誰よりも 幸福だった
2.
大きなお腹を かばいながら
明けがた近くに ミィ〜ちゃんは産んだ
父さん似で ヒゲの長い
白と黒とミケのかかった 三匹の子猫を
模様も色も まちまちだけど
恥ずかしいとは 思いもしなかった
お腹を痛めて 産んだのだから
どの子も等しく 愛していた
3.
猫も人も 同じだと言った
確かにミィ〜ちゃんが 言ってる気がした
愛しあって 生命が生まれるなら
愛に勝るものはないと 言った
ミィ〜ちゃんに 色や形は関係なかった
赤や黄色や 緑でもよかった
愛さえあれば 何もいらない
のどを鳴らして 確かに言った
ミィ〜ちゃんに人種差別の問題はございません。赤や黄色や緑でも良いのです。
愛さえあれば他に何もいらないと言うのです。何と素晴らしい事でしょうか、
人間もそうであれ!思わず叫んでしまいました。
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