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愛と感動の詩(歌詞集)/路傍の石



路傍の石よ 
どれほどの人がこの道を通ったことか
ある者は燈りの代わりに 希望を灯しながら
ある者は病と一緒に 赤子を背負って
ある者は月を背にして 人目を拒むように
誰もが幸福を求めながら 歩いたのだろう
やり切れない気持ちで 一杯だったのだろう
ああ 石は何も語らない

路傍の石よ 
どれほどの人がお前に手を合わせたことか
ある者は商売繁盛 蔵が建つように
ある者は富と名誉と 健康であるように
ある者は身体が資本と 口では言いながら
誰もが自分さえ良ければ 満足なんだろう
雨ざらしのお前のことは 考えもしないだろう
ああ 石は何も語らない


一筋のなだらかなる道を歩きながら、ふっと思うのです。どれほどの人がこの道を通った
のだろうと。土色に同化した路傍の石に出会う時、感じるのです。石工職人の気持ちや
手を合わせた人の気持ちを。重々しい一本の巨木に触れる時に、聞こえてくるのです。
人の世の幸不幸を刻んできた年輪が、まるでレコード盤のように回転しながら泣き叫ぶ
のを。そして道端の石ころや折れた雑草が視界をよぎる時に、踏みにじられた者の気持
ちが所せましと胸中を駆け巡るのです。・・・今日は語ることの出来ない者達の代弁者と
なって、自問自答をしているのです