平田市猪目町(いのめ)猪目洞窟=「出雲国風土記」に登場するこの世とあの世をつなぐ黄泉比良坂(よもつひらさか)=黄泉の穴はこの洞窟にもつながっているといわれています。夢でこの猪目洞窟を見た者は必ず死ぬとまで言われた所で、奥行は50m位で塞がっていますが、昔は鷺浦の海にある巨大洞窟に通じていたともいわれます。この説で一番有名なのは東出雲町の揖屋神社に伝わる黄泉比良坂の話で、古事記や出雲風土記ではおなじみです。猪目洞窟は海食洞窟で、海が荒れた日には波が洞窟付近にまで達することから、昔は海水によって隠れたり現れたりの神出鬼没状態にあったのかも知れません。縄文から古墳時代にかけての埋葬や生活を物語る数々の遺物が発見されています。
国の史跡、猪目洞窟案内板
国の史跡、猪目洞窟案内/この大洞窟は猪目湾の西端に位置して凝灰岩の海食により出来たもので東方に開口している。古く出雲風土記の「黄泉の穴」に当たると推定され数々の怪談が伝えられていた。去る昭和二十三年に船揚げの場の拡張工事をしていた際、凝灰岩微砂、石片、石塊などの推積層から多数の人骨や遺物が出土した。出土品は弥生時代から古墳時代にかけてのもので、人骨は十数体あり、屈葬と伸展葬の両式がみられ腕にはめた貝輪やたかつき大小のつぼ等の副葬品が多数あった。又多くの木器、貝類、鳥獣、魚骨其の他、稲もみ、木の実、海藻類更に炉の跡、木灰、木炭等、往時の生活を物語る貴重な遺物が発見された。昭和三十二年国の史跡に指定されている。
猪目洞窟の入口:大きな一枚岩盤の切れ口に細長い洞窟が見える。中央にある白っぽい箱は
船を引くためのワイヤーがはいっていて、この辺りまで波がくることがある。
更に近づくと小さな祠がみえて、この奥に洞窟がある
猪目洞窟の内部:ストロボで明るく見えるが実際は真っ暗で、大人が
入れるのはここまで
猪目洞窟の中から外を見る
この橋の左側が猪目洞窟で右側が日本海
橋から見た日本海